CAEソリューションズ主催の「FDSハンズオンセミナー【PyroSim】」が平成24年9月28日(金)10時から16時まで計算科学センタービル2階実習室にて行われました。
世界的に有名な火災解析シミュレーションソフトFDS(Fire Dynamic Simulation) がFOCUSスパコンで稼働開始となったことを受けて本講習会は開催されました。
PyroSimはFDS及びSmoke Viewの統合GUIであり、入力パラメータの設定が複雑なFDSに対して、CADライクな簡易なインターフェイスを提供します。また、FDSで大規模で精度の高い計算を実行するためには大量の計算資源が必要となりますが、FOCUSスパコンを利用することで実用的な計算が可能になります。
本講習会には7名の方に参加いただきました。午前中は以下のことについて説明がありました。
・CAEソリューションズ社の紹介
・PyroSimの紹介
・FDSの紹介
・FOCUSスパコンの紹介
その後に、京コンピュータ及びFOCUSスパコンの見学が行われました。
午後は受講者に1人1台の端末を使って実習を行っていただきました。Windowsマシン上でPyroSimを使って計算モデルの作成を行っていただきました。PyroSimを使えば、モデルの壁の高さ、壁の素材、窓の位置、出口の位置、警報機の位置などをCADを操作するよう作成することができます。
講師がFOCUSスパコンでの計算実行デモンストレーションを行い、定刻となり一旦セミナーは終了しました。その後ほとんどの受講者が残り、受講者自身がFOCUSスパコン上で計算実行の実習を行っていただきました。
内容
・会社紹介及びPyroSim紹介
・FDSとFOCUSスパコンへの計算方法の紹介
・「京」と「FOCUSスパコン」見学
(昼食休憩1時間)
・実習、質疑応答及び個別相談
(※途中休憩15分)
講習会当日の様子
PyroSim2012の特徴
FDS 5.5.3及びSmoke View 5.6が同梱 (FDS6(正式リリース前)の実行ファイルに対応)
FDS(火災CFD)の特徴
FDS計算の実行では、計算ステップ数、計算格子数がさほど多くなくとも計算時間が必要となります。
このためスパコンを活用することで計算時間を大きく短縮できることが解説されました。
火災(3Dメッシュ)+避難(2Dメッシュ)シミュレーションが可能
シミュレーション例
(シミュレーション条件)
・2フロアのアトリウム、出口2カ所
・1Fに70人、2Fに70人在館
「京」コンピュータ展示コーナーの見学
この後、FOCUSスパコンの見学も行いました。
PyroSim2012を使っての実習
PyroSim2012を使っての実習
講師の解説に沿って受講者にはメッシュの作成を行っていただきました。
壁の設定
壁の厚さ、高さ、素材などをCADを操作するように設定することができます。
障害物、ドア、熱感知器、カーペット、窓、などを設定することができます。
講師によるシミュレーションの結果について解説
以下の計算ステップを講師が実演しました。
・端末機からFOCUSスパコンへのインプットデータの転送
・FOCUSスパコンでの計算の実行
・FOCUSスパコンから端末機へのアウトプットデータの転送
・端末機での結果の可視化
その後、受講者が実際に計算を行い、PyroSimを使ってのFDS計算の実行を体験していただきました。