【開催報告】CONFLEX&Gaussian講習会 by コンフレックス (10/26)

2012年11月15日 | Last modified: 2018年8月21日

「Gaussian&GaussView 講習会」 が平成24年10月26日(金)13時から17時まで計算科学センタービル2階実習室で行なわれました。

Gaussianの概要について解説があり、約40年の開発の歴史を持つ量子化学計算ソフトウェア「Gaussian」についての系譜、 最新版Gaussian 09 revision C.01 の紹介、Gaussianでできること、使用可能な計算手法、使用可能な基底関数についてなど、解説の内容は計算を始める前の参加者にとっての基礎知識となりました。

Gauss Viewを使って、分子モデリングの実習が行なわれました。参加者は一人一台の端末上でGauss Viewを起動し、講師による解説のもと、追加する原子やフラグメントの選択方法、結合長や結合角度の変更の方法について学び、実際に手を動かしてGuass Viewの操作を行いました。

計算オプションの設定についても実習が行われました。Linuxマシン上で計算オプションの変更を行うには通常 vi やemacs といったエディターを使って入力ファイルを編集する必要があります。しかし、GaussViewを使えば、計算方法や基底関数などの主要なオプションはプルダウンメニューから選択するだけで簡単に設定できることを参加者は体験しました。これらの操作を経て、分子構造の情報と計算オプションを含んだGaussianのインプットファイルが生成されました。

以上の手順で作成されたインプットファイルを使ってGaussianの計算実行が参加者によって行われました。FOCUSスパコン上での計算実行には以下の手順が必要です。

手順1. 端末からFOCUSスパコンへのログイン (TeraTerm利用)

手順2. 端末からFOCUSスパコンへのデータ転送 (WinSCP利用)

手順3. FOCUSスパコン上での環境設定

手順4. FOCUSスパコン上でのGaussian実行 (会話処理、ジョブスケジューラでの処理)

手順4. では、ジョブ投入のための実行スクリプトについて解説を受けながら参加者が編集を行い、実行スクリプトの書き方についての理解を深めました。

計算実行後は、参加者がGaussianの計算結果をFOCUSスパコンからWindowsへとデータ転送を行い、GaussViewを使って結果(分子軌道)の可視化を行いました。

 

 

Lindaを使ったノード間並列についての解説がありました。Lindaを使ったノード間並列を行うためには計算に割り当てられるノードのホスト名をインプットファイルに入力する必要があります。これを実現するための実行スクリプトの書き方についての解説がなされました。また、Gaussianの並列計算効率は、指定するメモリ量と並列数の指定に依存するという計算実行結果が示されました。

量子化学計算概要、エネルギー計算と構造最適化、振動数計算についての理論や計算を行う上でのノウハウ、出力ファイルの読み方の解説の後に、再び実習が行われました。講師による指導のもと、参加者は、構造最適化、振動数計算について以下の手順で計算を実行しました。

1. GaussViewでの分子構造の作成

2. 計算手法の設定(GaussView)

3. サーバーでの計算実行 (上記FOCUSスパコン上でGaussianの計算 手順1.~4. )

4. 端末にデータを移動してGaussViewにてポスト処理(分子軌道、振動スペクトルの表示)

これにより参加者はモデリング、計算実行、結果の可視化までを通して実習することができました。

質疑応答は実習と並行して行われ講習会は無事終了しました。

今回の講習会ではGaussianの利用に関して計算実行のための操作方法を知るだけでなく量子化学理論や計算効率を高くするためのメモリなどのオプション指定方法といった計算実行のためのノウハウも並行して参加者は得ることができました。

講習会終了後、希望者はFOCUSスパコンと京コンピュータ展示コーナーを見学していただきました。

今回の講習会にご参加頂きました皆様に感謝いたします。

10月には同じくコンフレックス社による Conflex & Gaussian 講習会を予定しております。詳細は決まり次第 https://www.j-focus.jp/event_seminar/ にて告知致します。

 

 

 

 

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プログラム:

13:00~13:30 CONFLEXの概要
◯配座異性体の探索
◯CONFLEXのアルゴリズム
◯Ver.7.A新機能の紹介
-結晶構造探索
-ChemOfficeからの計算実行

13:30~14:00 CONFLEX Interfaceの基本操作※
◯各種ファイルの説明と表示
◯計算の実行
◯結果の解析

14:00~14:30 Gaussianの概要
◯Gaussianでできること
◯使用可能な計算手法と基底関数

14:30~15:00 GaussViewの基本操作※
◯分子構造の構築と操作

15:00~15:15  休憩

15:15~16:30 実習※
◯GaussViewによる分子構造の構築と入力ファイルの説明
◯CONFLEXによる配座探索
◯FOCUSスパコン上での計算実行

16:30~17:00 質疑応答
以上、講習会終了

17:00~17:30 FOCUS主催によるFOCUSスパコンおよび京施設見学ツアー(希望者のみ)

※1人1台のPCで操作していただきます。

 

 

講習会の様子

 

CONFLEXによる配座空間探索について解説

網羅的かつ効率よく配座異性体を探索する計算プログラムであるCONFLEXによる配座空間探索の模式図。

まだ配座探索を行っていない配座異性体のうち最も安定なものから探索する。

(探索範囲は再安定構造からのエネルギー差(search limit) で指定することができる)

 

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CONFLEXの実習(配座探索の典型的テスト分子である C17H34を使って)

受講者は入力ファイルの準備、計算オプションの指定、出力ファイルの見方について学ぶことができました。

 

Gaussian の概要について解説

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